「やらなきゃ良かったあのテーマ」
読まなきゃ良かったビジネス書
どこかの掲示板で挙がっていて、題名に轢かれて、もとい惹かれて読んでしまいました。
観念的な話だけで 245ページも引っ張る著者のポテンシャルには圧倒され、脱帽して髪の毛を何本か抜いても余りある本です。
しかもその観念は、R&Dの中の人なら1年、どんなにニブい人でも1ビジネスサイクル回れば体得している話ばかりでありまする。
私の場合、この手のビジネス書には、
- 知らないことを教えてくれる
- 知っていても見えてない側面に気づかせてくれる
- 知っていることをより深く読み解く
といったものを期待するわけですが、この書籍はどれも×でありました。
だいたいにおいてどこが「臨床的事業開発論」なんだよ。実例に乏しく、論じるにしちゃ章立てからしてなっちゃいない。
エピソードとして挙がっているネタがこれまたネットに挙がっているネタだったりしちゃったりして、んじゃするどい考察でも加えてくれれば付加価値と言えるのだけれど、そういうわけでもないので、あちゃ〜 という痛さがあります。
ときどき著者の考察?妄想?みたいのが書き加えられているわけではありますが、それはどれもR&Dだとか技術だとかという問題ではなく「それって良くあるいわゆるマネージメントの問題だよね」ということばかりなのに、そうは言い切れないポジションを思いやって失笑 同情を禁じえない、今日この頃。
いやぁ、久しぶりに損をしました、はっはっは。読んでる時間がもったいないので途中からスキミングに切り替えましたが、スキミングに耐えうる文章構造になっていないので、結果、華麗にスルーすることに。
かなーりたくさんの知り合いがこの著者の調査会社に就職していっているんですが、中の人になって時を経るとこんなにポジショントークが見事になるんでしょうか。なるんでしょうね。実例もたくさん見るし。